システム屋の日記

システム屋サラリーマンの日記。それ以上でもそれ以下でもない

会社の評価と僕のスキルに大きな乖離がある

僕は小さな商社の社内SE部隊をまとめる立場で働いている。社長以下、会社のメンバーはIT、システムについての知識がない。はっきり言ってシステム屋として20年以上、飯を食っている僕からすると新人と同じくらいのレベル。

おそらく、海外に比べてITスキルが低いと言う記事は、間違っていない。年商20億の会社であっても社員がパソコンを使いこなしていない。

実際にパソコンを使いこなしているのは1割、多く見積っても2割弱。世間ではその位の割合だと思う。

弊社の場合、人事評価する側にシステムを評価できる人がいない。

システムは見えない

プログラミングを知らない人にとって、システムは何もしているか理解ができない。これは僕も、20年前にこの業界に入ったときに経験した。プログラミングしている人は『魔法使い』に思える。

パソコンやスマホで簡単に操作ができるのは、裏で膨大なプログラムが動いている。ATMだってそうだし、4G通信だって全部、プログラムが動いている。プログラムってそもそも、機械に何かをして貰うための命令の集まり。命令の方法もそうだけど、何をどんな順番で処理をするかをコンピューターに命令するのがプログラミング。

プログラミングって、実はそんなに難しくはない。難しいのは、どうやってシステムとして動かすかと言うこと。何を言っているかが分からないと思うけど、システム全体でどう動くかを決めなければ、細かいところは決まらない。

僕らシステムエンジニアプログラマーって、システムを組むことはできる。でも、そのためにコンピューターに何をさせたいのかを話してもらわないとシステムは構築できない。

システム開発をする側に立ったことがある人は、分かってくれると思うけど「基幹システムを構築しろ」なんて、業務命令は無茶ぶりにも程がある。で「どんなシステムが必要なのですか?」とユーザーに聞くと「使いやすいシステム」なんて抽象的な話をしてくる。誰にとって、どう使いやすいシステムなのかを答えられない。

そうするとシステム屋は、ユーザー(使う人たち)に何がしたいのかを聞き出すことから始めないといけない。本当は、そんな労力を割きたくはないんだけど、何をしたいのかが分からなければ、システムにできる訳がない。実際、ちゃんとシステムを知っている人が話をしてくれる場合、納期も短く、使えるシステムを導入する自信がある。でも、何をしたいかをヒヤリングして答えられないユーザーだと、作ってからも「あ~じゃない、こ~じゃない」と無限ループにハマる。

社内SEとしてできること

ぶっちゃけた話、会社でやりたいこと、やらないといけないことをヒヤリングできなければ、システムなんて組めない。僕は、使う人が試行錯誤して手順や仕様を考えなければ良いシステムにはならないと思っている。と言うか、絶対できない。

何が言いたいかと言うと、どんなシステムが欲しいのかもなく、システムを作れと言われてもできる訳がない。そして、何で出来ないんだと言われても意味が分からない。

家を建てるときに「カッコ良い家を建ててくれ」と言っているのと同じ。誰にとってカッコ良いのかの主語がない。建築会社、大工が自己満足の家を建てて、何千万円も払いますか? って話。システムを同じ。何をどうしたいのかが分からなければ、プログラムになんて落とせない。

社内SEとして、どんなシステムが必要なのかをヒヤリングするしかない。簡単じゃない。だって、システムがないんだから。誰も、こんなシステムなんて漠然と言うけど、現実問題、ちゃんとシステムとして考えている人はいない。みんな断片的に言っているだけ。

僕はシステム屋として仕事をしているので、どんなシステムでも良いなら、直ぐにでも導入することが可能だと思う。でも、使えるシステムを導入するためには、何をシステムで行うのかを決めないとイケない。システム屋業界で言う『要件定義』のネタがない。

社内SEとして約1年かけてヒヤリングして、要件定義が、ほぼほぼ固まりつつある。要件定義が固まれば、システム化は加速的に進む。設計、プログラミングなんて要件定義が決まれば、余裕な工程だ。

分からない人が評価する

僕はシステム屋なので、システムを導入するために何が必要かを知っている。今回の話で言えば「どんなシステムなのか」って言う要件定義だ。何が欲しいのかを伝えないで欲しいものを用意するなんて無理だとは思わないのだろうか。最近は、サンタさんにも欲しいプレゼントを手紙にして伝えるのに。

そして、僕がシステムを使いそうな人にヒヤリングをしても、我、関せず。僕から提案しても、反応なし。極めつけは「システムの導入にどれだけ時間が掛かっているんだ?」だと~? 一生、システムの導入なんて出来んぞっ?!

何となく、要件定義が固まりつつあるのも、評価するおじさんたちに必要なシステムをヒヤリングしても何も進まなかったことを僕が気を利かして、女子社員たちと共謀して女子社員がラクできるようにシステムにして行きましょうと話をしたから。

何も考えずに「システム、システム」と騒いでるおじさんたちを相手にしていたら、一生、システム化なんて、できない。そして困ったことにシステムの開発をする財布を握っているのも、僕の評価をするのも、その訳の分からないおじさんたちと言うこと。

報連相がないだの、何をしているか分からないなんて言っているけど、僕はやっていることを報告しているし、どんなシステムが欲しいのかを相談している。それで評価ができないのは、評価する人のスキルが足りないような気がしてならない。

まあ、サラリーマンなので評価で給料が決まるのは当たり前だと思うけど、システムエンジニアやシステム導入コンサルタントを専門でやっていた時より、今の方が仕事量も増えた。でも、評価が低いなんてやる気をそがれるよ。